佃煮

April 29, 2026 - Roger W. Lowther

私は佃煮で有名な東京都中央区佃に住んでいる。引っ越してきたばかりの時、佃煮を知らなかった。近所の古い小さな店から海産物の匂いがして、魚屋とは違うこの匂いは何だろうと思って中に入ってみた。茶色く小さな物が並んでいた。「味見をしてみますか」と店のおばあさんに勧められて私は一つ口に入れてみた。味は濃くて、しょっぱくて、少し甘い。初めて食べる味だった。スナック菓子みたいだと思った。店のおばあさんが佃煮はこの地で昔から作られている食べ物だと教えてくれた。

17世紀、大阪の佃村の漁師たちは徳川家康一行に船と保存していた魚を提供し、脱出を助けた。家康は報酬として東京湾の隅田川口の端の島に漁師たちを呼び寄せ、特別な漁業権を与えた。今日でも、大阪の佃と東京の佃のつながりが残っている。息子たちが通っている東京の佃小学校と大阪の佃小学校では、毎年生徒の交流会を実施している。

漁師たちは、魚や貝を塩、砂糖、醤油などで煮た佃煮を作った。日本は高温多湿のために食べ物が腐りやすい。腐敗した食品は死の悪臭を発する。佃煮は食品を腐敗から守る方法だった。佃煮は保存食として大切な食べ物になった。

この世にはたくさんの腐敗がある。衰えていく体、疲れていく心、壊れていく人間関係。どうすれば腐敗や悪臭から自分自身を守ることができるだろうか。

魚が加工されて佃煮という保存食になるように、私たちも腐らないものに作り変えられる。それをしてくれるのは福音だ。

佃煮は、火で具材を煮詰め、その汁の中にしばらく浸して作られる。私たちは苦しみに合いこの世の困難にさらされる。そして福音の中でキリストの犠牲に長く浸され、すべてを耐え、すべてを忍び、キリストの寛容と愛を吸い込む。

「この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを必ず着ることになります。」(コリント第一15:53)

腐らない命を持つものになるために、朽ちるべきものが朽ちないものを着るために、私たちは煮られる必要がある。十字架によって、福音を通して煮らなければならない。この世の脅威、非難、呪いから私たちを守るのは、神の恵みだけだ。

私はこの古い小さな店によく行くようになった。友人が家に来ると、佃煮をふるまい、この町の伝統を一緒に楽しむとともに神の福音を感じ、味わっている。食べるたびに、もっと味わいたくなるのだ。

「恵みの味」抜粋 ロジャー・W・ラウザー

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